毎月支払っている年金ですが、実際に老後にどれくらいもらえるかは、気になるところですよね。
今回は「2種類の年金の違い」「年金の平均受給額」と「老後に必要な金額」についてお話ししていきたいと思います。
2種類の年金の違い
年金には国民年金と厚生年金の2種類があり、それぞれの年金で平均受給額は異なります。
- 国民年金:アルバイトや自営業者、契約社員や無職でも加入できる老齢基礎年金
- 厚生年金:会社員や公務員などが加入する年金で、国民年金に上乗せされて給付される
年金の受給開始年齢 早見表
国民年金の受給開始年齢は、原則65歳からです。
厚生年金は、以前は60歳から支給されていましたが、現在は支給年齢が段階的に引き上げられ、下記の表のようになっています。
国民年金の平均受給額
厚生労働省の発表によると、2018年度の年金受給者の平均月額支給額は55,464円です。
2018年に国民年金を40年間全額収めた場合、65歳で支給される上限額は年間で779,300円となり、毎月の支給額の上限は64,941円となります。
実際に支給されている国民年金の平均支給額は55,464円ですので、9,477円の差がある事が分かります。これは、高齢化や年金の未納者が多いことも原因となっています。
国民年金を納める最低年間所得
収入があるのに国民年金を支払わない人に対する政策として、年金を納めなければならない年間所得の条件にも変化があります。
2015年までは400万円以上でしたが、2016年より350万円以上に下がり、2017年からは300万円以上所得がある人で未納の場合には強制徴収が行われるようになりました。
この政策もあってか、6年前の支給金額と比較すると、年金保険料の未納者に対する罰則強化により年金未納者がかなり減っています。
国民年金の納付期限と延滞金
納付期限までに国民年金を納めない場合には、納付督励が行われ最終催告状が送られます。
この最終催促状が無利息で年金が支払えるリミットで、これを過ぎると督促状が送られてきたり電話などで連絡が来て、支払いを命じられます。
それでも支払いを拒む悪質な年金未納者には、差押予告がなされて強制的に財産を差し押さえて利息込みの未納年金を強制徴収されます。
督促状が送られて以降は、年金の延滞金に年利で14.6%もの高金利の年利を制裁名目で課せられます。
厚生年金の支給額の平均
2018年度の厚生年金の支給額の平均の年金受給額は男女合わせて、一人で月額で147,927円です。
厚生年金は現役時代の所得で支給金額に差が出るため、男女差が非常に大きくなってます。
- 男性の厚生年金の平均支給額:166,863円
- 女性の厚生年金の平均支給額:102,708円
厚生年金の支給金額は、平成の大不況のリストラ期で以前の年功賃金制が崩壊したため、年金受給額は年々減り続けてきましたが、2014年で底打ちして2015年から若干ですが回復傾向にあります。
夫婦世帯の年金受給額の平均は2018年で191,880円という結果でした。
老後に必要な金額(夫婦)
厚生労働省の試算によると、夫婦2人で老後に必要になる金額が月額で約250,000円で、現役世代だった頃と同じ生活を続けるには30万円程度必要となっています。
ですので、その試算の生活を送るためには不足分の約5万円から10万円程度の補填が必要と言われてます。
月約25万円の標準的な生活で不足分で約3,000万円必要で、現役世代の頃の生活を維持するためには約5,000万円を用意しておく必要があります。
おわりに
今回は、「年金の平均受給額」と「老後に必要な金額」についてお話ししてきましたが、いかがでしたか?
ただし、今回ご紹介した試算も、あくまで年金がちゃんと物価にスライドして上がったり、80歳前後で夫婦で亡くなった場合を想定してます。
もしも医療技術の向上で寿命が伸びたり、国家財政が破綻して年金の受給金額が払えなくなれば、この想定通りに行かないリスクがありますので、老後の準備金は少しでも多く蓄えておきたいですね。