夏の比較的涼しい朝の時間帯に開花する朝顔は、夏の風物詩となっていますね。
朝顔の花は、昼間は「クター」としおれたようになってしまいますが、夕方にたっぷり水を与えると翌朝元気に開花します。ツルを上手に巻くよう手をかけられる鉢植え栽培も楽しいですね。
花の色や大きさなど、バリエーション豊かな朝顔を育ててみましょう。
朝顔の栽培時期と育成条件
- 日当たり:日なた
- 土壌酸度:中性
- 株間:庭に蒔く場合は株間20㎝~30㎝
朝顔の種まき・苗の管理
朝顔の種子は3~4年は発芽しますが、できることなら新しく丸みもあるふっくらとした種子を蒔きたいものです。種子は6~7年保管すると急激に発芽率が下がってしまいます。
種子は胚のある部分を下にして、丸くふくらみのある幅の広い背中のような部分を斜め上にして植えます。
地表から1.5㎝~2㎝が目安です。深いと発芽しませんので注意が必要です。軽く上から覆土するくらいがよいです。
朝顔の発芽時期
発芽適温が20℃~25℃と少々高めです。5月に入ってからの種まきでよいでしょう。部分的に硬い被子で覆われている「朝顔の種」は一晩水に浸けておくと発芽しやすくなります。
直接庭に蒔くことも、ポットや鉢植えに蒔いても育成できるので好みに合わせて種蒔きをしましょう。直接庭に蒔いても育成がうまくいかない場合は、ポットで本葉3~4枚まで育てます。
早い時期に楽しみたい場合は室内で!
早い時期に開花を楽しみたいからといって4月に種を蒔いても、適温にならなければ発芽しません。それは、朝顔は元々熱帯産の植物なので、生育には高温が必要です。戸外での育成は5月になってからの種蒔きでないと発芽は難しいでしょう。
そこで、室内で育てれば4月でも発芽は可能になります。あまりツルを伸ばさずに、鉢植え栽培で観賞用に育てるのもよいですね。品種改良が進んでいるのでツルをあまり伸ばさない朝顔の品種もあります。
朝顔の定植適期
発芽温度のことを考慮すると5月に入ってからがよいでしょう。この時期に成れば遅霜の心配もありません。花壇や庭に直接蒔いても良いのですが、育成ポットで子苗を発芽させてから定植すると、育ち方のバラつきなどを無くせるので美しい朝顔が一斉に咲きだします。
鉢植えにするにも、育成ポットで発芽させたものを定植するほうがよいでしょう。6月位に本葉3~4枚以上になったら定植しましょう。
発芽後に種の皮を被ったまま育つ苗があります。非常に硬い被子の影響がみられます。そのまま放置しておくと、せっかく発芽した苗が腐ってしまう事があります。見つけたら被子を取り除きましょう。
朝顔栽培の土作り
日当たりが良く、風通し・水はけの良い場所を好みます。化成肥料を施した、肥料豊富な肥沃な土作りをしましょう。油かすや腐葉土での土作りも良いです。
種を蒔く場合に、土はある程度まで深く耕しましょう。目安として20㎝~30㎝です。根っこが広く深く張れるようにしてあげたいですね。
支柱・仕立てについて
朝顔市で見かけるような優雅な朝顔の育て方をご紹介します。種は育成ポットに種を蒔いておき、その間に鉢の準備を行います。
水はけのよい肥沃な用土を使い、やや大きめの6~8号鉢を準備します。育成ポット苗のツルが伸びるのを待って定植します。
鉢植えに支柱の準備を行います。市販されている「あんどん仕立て」の支柱がよいでしょう。ツルが伸びてきたら左巻きに、そのまま「らせん状」にツルを巻いていきます。
朝顔の摘心
そのままツルを伸ばしても良いのですが、本葉7~8枚目で切り取ります。そうして上から1~3枚目の葉の付け根から伸びてきた脇芽を伸ばします。その他の脇芽を摘み取ります。伸びだした脇芽を支柱にからませていきます。
たくさんツルを伸ばして花を咲かせたいなら、摘心の作業を行いましょう。初めの一本ツルを伸ばすだけでは花の数も限られてしまいます。
子ツルが長く伸びたら再び摘心して孫ツルをのばしてからませていきます。
摘心することによって、養分が新しいツルに使われます。
朝顔の定植のポイント
直接庭に蒔いても良いのですが、育成ポットを使用して発芽させた方が育ちをそろえられます。
開花の時期がそろった方がよいです。
朝顔の特性
朝顔は非常にたくさんの品種があり、西洋朝顔はツルの育成がよいので庭のフェンスなどにもからみやすいです。
一方で、あまりツルが伸びない品種もあるので、室内観葉用としてはツルが伸びない品種がおすすめです。
朝顔は排気ガスを苦手とする植物です。車通りの激しい通り沿いでは育ちが悪くなります。
朝顔の水やりについて
乾燥に弱い朝顔は、土が乾ききる前に水をたっぷり与えましょう。開花時期になると1日2回の水やりが必要です。やや涼しい朝や夕方にあげる方が、朝顔の負担を減少することができます。
そこで、水やりの時間は朝と夕方の涼しい時間帯に与えましょう。日中に与えると開花後の花の寿命が短くなります。
水やりは根元付近に多めに与えましょう。全体への水かけも涼しげで良いのですが、開花後の花へは水量(勢い)を弱めにして下さい。上に向けて水やりをするのもよいです。
朝顔の品種について
セイヨウ朝顔は、ツルが良く伸び午後まで花が咲く品種です。長く開花しているのはうれいですね。
垣根に絡ませようとしても上手にからまない朝顔もあります。ツルがあまり伸びない品種もあります。鉢花用にツルがあまり伸びないように品種改良されています。西洋朝顔の品種はツルが伸びるので垣根や支柱に絡んでいきます。
朝顔の仲間に「夜顔」という種類もあります。夜間に咲く一年草の花です。「昼顔」「夕顔」という仲間もあるので育ててみるのも楽しいです。
朝顔の病害虫について
あまり病害虫のない朝顔ですが、まれにアブラムシやケムシの食害を受けることがあります。見つけたら直ぐに除去をしましょう。
ビニール手袋などを使用した方がよいですね。ケムシにかゆい思いをさせられることがあります。
6月の梅雨の季節に、注意が必要な病気にモザイク病・うどんこ病があります。予防としては風通しの良い状態を保つ。被害にあってしまったら切り取ってしまいましょう。
朝顔の種の収穫時期
翌年も朝顔を育てるなら種を収穫しておきましょう。開花が終わり、種が入った袋が茶色く変色してカラカラに乾いたら収穫時期です。花びらの下にあるガクが渇いて反っていれば大丈夫です。
乾燥が中途半端だとかびてしまう事があります。よく乾燥させて、紙袋などで保管しましょう。乾燥剤があるとよいですね。
保存状態がよければ数年は発芽する強い種です。特別に注意することもありませんが、乾燥している暗い所で保管しましょう。
おわりに
朝顔の育て方について、土作りや種の蒔くタイミングから種の収穫までご説明しましたがいかがでしたか?
乾燥に弱い朝顔なので、土が乾くようなら水やりをします。暑い季節は朝晩の涼しいタイミングで水やりをします。しぼんでいた朝顔が一気に元気になるのは嬉しいですね。病害虫が少ないのも嬉しいです。グリーンカーテンとして朝顔を利用すると涼しさと花の美しさで涼しい気持ちになれます。
種はホームセンターや直売所で、手頃な金額で購入できるので気軽に育てられます。知人の朝顔を鑑賞して、美しい朝顔を見つけたら分けてもらっても楽しいですね。今年の夏は朝顔の育成にチャレンジして、美しい朝顔を作ってくださいね。