「朝すっきりと起きることができない」と悩んでいる方は、意外と多くいらっしゃいます。
寝不足でもないのに毎日寝起きが良くないという人の中で「低血圧だから」という方もいますが、低血圧で朝起きれないというのは本当なんでしょうか?
今回は、「睡眠と低血圧の関係」や「低血圧による昼間の眠気」について、詳しくお話ししていきたいと思います。
低血圧は「血の巡りが悪い」ということ
結論から言ってしまいますと、低血圧と睡眠は深い関係性があります。
そもそも低血圧というのは、国際的な基準もなく大体の目安で決められているのですが、最高血圧が100mmHg以下であれば低血圧と言われています。
低血圧状態というのは、血の循環が悪くなり、そうなると体の器官がきちんと働くことができません。よくある例でいうと、急に立ち上がった時にめまいや立ちくらみが起きることがありますが、これも低血圧が原因だと考えられています。
こうした血の巡りが悪い状態は「起立性低血圧」と呼ばれ、毛細血管へ流れる血液量が減ったまま、脳が活性化されない状態を指します。
人は寝ている時に副交感神経がしっかりと働き、起きて活動をする時に交感神経がしっかりと働きます。しかし、起立性低血圧の方はこの切り替えスイッチがうまく働かずに、脳がいつまでも目覚めず、朝でも昼でも眠気がする状態になってしまうのです。
朝起きられない原因が低血圧とは限らない!
このように、低血圧で朝起きれないというのは根拠があることなのですが、朝起きられない原因が必ずしも低血圧であるとは限りません。
起きれない原因もいろいろありますので、「朝起きれない」「朝一の眠気がひどい」という方は実際に朝の血圧を測ってみることをおすすめします。(※標準的なもので、2,000〜3,000円くらいで購入できます。)
寝起きの頭痛も低血圧が原因?
寝起きなのに、すっきり起きれないどころか頭痛がしてしまう場合があります。
寝起きというのは、通常で言えば最も体調が良い時間帯になるはずですが、そんな時間に頭痛がするというのは問題ですよね。
これもやはり、低血圧が関係しています。
低血圧は体内の血流が悪くなり、必要な栄養・酸素が運べなくなる状態です。その状態が続くと全身に症状が現れます。
最も多いのが、疲労感やだるさ、そして頭痛です。
疲労感やだるさというのは、多くの場合が疲れる要因もないのに体力がなくなり、すぐに立ちくらみがしたり体温が常に低いという状況です。
頭痛の原因は、低血圧によって脳への血流が悪くなることで痛みが生じます。この頭痛が悪化していくと、寝起きに立った際に体が揺れているような感覚になり、痛みを感じたまま気絶してしまうという可能性もあります。
不安を感じたら血圧をチェック!
低血圧状態が長く続くと慢性的に頭痛を伴い、日常生活に支障をきたすことも多いです。そのため、少しでも体の変化を感じた場合は寝起きに血圧を測ってみてください。
その際に低血圧であれば、体調不良の原因が低血圧だということがわかるので日常生活に支障をきたす前に医師に相談することをおすすめします。
また、低血圧でない場合は別の原因があると思いますので、その原因に合わせて対策するようにしてください。
昼間に眠気を感じてしまう・・・
低血圧の方の場合、体内に酸素を行き渡らせる働きをしているヘモグロビンの動きが悪くなり、体へ送る酸素の量が少なくなってしまいます。
体の中が低酸素状態になると脳が体を休ませようと命令するので、昼間でも眠気におそわれてしまうのです。
また、女性の場合は酸素不足の上に鉄分が不足をしている状態のことも多いです。
日本人の9割の女性は鉄分が不足していると考えられていますが、鉄分が不足している場合も急激な眠気や体のだるさに繋がってしまうのです。
不安な時は病院で相談を!
「朝起きれない」「昼間の眠気など」体調の変化が現れた時は、我慢せずに医師に相談するようにしてください。
低血圧も貧血も放っておくと別の病気の要因になりかねないので、あまく見ずに注意してくださいね。
体の血流が悪くなり、酸素が不足するというのは体にとっても良い状態とはとても言えないので、自分で体調改善を試みても良くならない場合はすぐに診察を受けるようにしてください。
低血圧だと精神的にも不安定に!?
昼間に頻繁に眠気を感じるような体の状態だと、精神的にも不安定になります。
低血圧で悩まされている方の多くが精神的に不安定という報告もあります。これも酸素不足が原因で健康的な考えができなくなっているからです。
低血圧も貧血も聞き慣れた言葉なので軽視しがちですが、実はとても怖いものだと理解しておくようにしてください。
おわりに
今回は、低血圧と朝起きれないことの関係、昼間の眠気との関係などについてお話ししてきましたが、いかがでしたか?
低血圧は、朝の頭痛や精神の不安定を引き起こすこともあるので、甘く見過ぎないようにしましょうね。
低血圧の方も、朝すっきり起きれるようになることを願っています。