ネットやニュースなどでよく耳にするＮＰＯ法人。
でもＮＰＯ法人ってどんな団体で、どんな活動をしているのか知っている方は意外に少ないのではないでしょうか？
ここでは、そんなＮＰＯ法人の活動の内容や法人設立のメリット・デメリットについてお話したいと思います。
ＮＰＯ法人とは
まずそもそもＮＰＯ法人のＮＰＯってどういう意味なのでしょうか？
正式名称は「Nonprofit Organization」の略で、直訳すると「非営利団体」となります。でも「非営利団体」と言われても何だかピンときませんよね。非営利とは平たく言えば「お金儲けをしても良いけれど、そこで得た利益は組織の運営や今後の事業の為に用いる」という意味です。
通常の営利企業であれば利益は社員や株主で分配されますが、それが認められていないのが非営利団体の特徴になります。その中でも特定の、公益的、非営利的なサービスを提供とする事を前提とし、特定非営利活動促進法（ＮＰＯ法）に基づいて法人格を取得した団体を、ＮＰＯ法人と呼びます。
ＮＰＯ法人の活動
ＮＰＯ法人の活動としては、前述の通り「非営利」である事が前提であり、その内容については法律で定められています。
以下２０の分野におけるいずれかに該当する活動（完全に合致しなくても、結果としていずれかの目的に貢献できると考えられるものは可）を行う必要があります。
- 医療や健康など、及び福祉の増進を目的とする活動
- 学校で行われる教育以外の教育、即ち社会教育の推進を図る活動
- 町や地域にとってより良い影響を得るための、まちづくりの推進を図る活動
- 町おこしや村おこしなど、観光の振興を図る活動
- 農山漁村、又は中山間地域の振興を図る活動
- 学術・文化・芸術又はスポーツの振興を図る活動
- 野鳥の保護・リサイクル活動など、環境の保全を図る活動
- 災害時、及び災害後の支援などの災害救援活動
- 地域のパトロールや防犯グッズなど、地域の安全活動
- 核兵器廃絶や地雷の撤去、女性や子供、障害者などの人権を擁護する為の、平和の推進、又は人権の擁護に関する活動
- 発展途上国への開発援助や技術支援、国内における留学生への支援など国際協力に関する活動
- 女性差別の撤廃やセクハラの防止など、男女共同参画社会の形成、及び促進を図るための活動
- 子供に関するいじめ相談や虐待の防止など、子供の健全な育成を図るための活動
- インターネットを用いた学習の普及や、パソコン講座の実施など、情報化社会の発展、及び支援を目的とする活動
- 新技術の開発だけでなく、既存の技術の中で優れているものを選別し、普及させる科学技術の振興を図るための活動
- これから起業しようとする人を支援したり、地域の経済活動の活性化を図る活動
- 仕事をしていく上で役立つ資格の取得を支援したり、就労情報の提供や就労そのもののサポートなど、職業能力の開発や雇用機会の拡充を支援するための活動
- 消費者に対し、商品知識の普及や情報の提供を行ったり、悪徳商法から消費者を守るための活動
- 以上で紹介した活動を行う団体の運営、もしくは活動に対する支援・連絡・助言などを行う活動
- 以上で紹介した活動に準ずる活動として、都道府県又は指定都市の条例で定める活動
ＮＰＯ法人のメリットデメリット
ＮＰＯ法人はまとまった資産がなくても設立できますが、下記のようなメリット・デメリットがあります。
メリット
①法人格を取得する事によって社会的な信用を得やすくなる
②団体として事務所を借りたり、電話を引いたり、物品を購入したりできるので資産を
管理しやすくなる
③団体としての資産を持つ事ができる
④団体として公共事業に参加する事ができる
⑤税制的に優遇されている
デメリット
①何か行動しようとする際、一定の手続きが必要となるため時間がかかる
②経理や各種届け出など、厳正な処理が必要となる
③法人としての税務申告義務が生じる
④事業報告や収支などに関して、情報の開示が義務化される
おわりに
今回はNPO法人についてお話ししてきましたが、いかがだったでしょうか？
ＮＰＯ法人設立にはデメリットもありますが、初期費用がなくとも社会に貢献できる一つの方法であると言えます。
また、自身が設立しなくても団体への寄付という形でも参加する事もできますので、興味がおありの方はご自分の考えに沿った団体を探してみるのも良いかもしれませんね。
