生活を支えるのに必要な「電気」ですが、どのような仕組みで発電しているのでしょうか?
今回は、発電機の仕組みやそれぞれの発電方法のメリット・デメリットについてお話ししていきたいと思います。
発電機の仕組み
発電機の最もシンプルに体現できるものに自転車の豆電球があります。今では、LEDの精巧なライトになりましたが、その昔(現役もありますが)は自転車の前後輪の横に発電機がありました。
タイヤにその発電機を傾け、自転車を走らせればそのヘッドが回転することにより、豆電球が灯火し安心して夜道を走行できます。実はこの原理は、ポータブル家電や自動車、産業界で使用されるモーターの原理とは逆になります。
では、発電機とは何でしょうか。簡単に説明しますと、磁力(磁石)と力(回転)を使って電流(電気)を発生させる道具となります。自転車では磁石を車輪の回転により(音がかなり出ますが)電流を作り出しています。
世にいうところの、フレミングの右手の法則になります。因みに、親指は力(回転)・人差指は磁力(磁石)・中指は電流(電気)を表しています。磁石とコイルを使用して、回転力を利用して電流を発生させます。このコイルを磁石でもって動かしますと電気が生まれます。これを電磁誘導と呼んでいます。
モーターにつきまして、磁力と電流を使って力を発生させます。従いまして音は静かですね。回転力の代わりに電流が流れるからです。フレミングの左手の法則で説明されています。
水力発電の仕組みとメリット・デメリット
一般的な水力発電は、ダムに貯められた水を高い場所にある放水口から低い所に流します。その位置エネルギーを利用して、発電用のポンプ水車を設け水車を回転させ発動機を動かして電気を作っています。
様々な種類があります。発電用水車を設置し利用する流れ込み式のもの。ダムの水を放流し発電する貯水池方式さらに調整池式、揚水式などがあります。
では、そのメリットはどこにあるのでしょうか。水力発電は、水の有効活用化の最たるものでクリーンを演出する発電のタイプになります。火力発電とは異なり、温室効果ガスや大気汚染をもたらす酸化物もなく、水流量を増減させることにより発電量を上手くコントロール出来てしまいます。水資源豊かな日本では、その優れた生産性のあるエネルギーの一つとなっています。
しかし、その反面、森林などの環境破壊により悪影響もあります。災害問題もあります。また、ダムの建設により大規模な構造建築物になり、建設費用と送電コストに大きな問題を孕んできています。さらに、年間降水量にも相当の影響を受けるという欠点も見えてきているのが現状になります。
バイオ発電の仕組みとメリット・デメリット
バイオマス発電とは、家畜の糞尿や食品の廃棄物、木質の廃材などの有機ゴミを燃焼させて発生するその熱を利用して、蒸気でもってタービンを回転させ発電する仕組みをいいます。
火力発電と同様ですが、燃料が石油・石炭・天然ガスではなく有機ゴミを使用することに違いがあります。
このバイオマスの呼び方は、動植物に由来する生物資源の総称になります。そこで、取り入れるメリットを考えてみましょう。
- 再生可能エネルギーとなります。これにより得られる電力はFIT(固定価格買取制度)の対象になります。
- 安定的な発電が可能になります。燃料の供給さえあれば、太陽光発電や風力発電と違い自然環境に左右されません。
- カーボンニュートラルとなります。
石油や石炭を燃やせば、二酸化炭素を排出します。これは成長の過程で光合成により大気中の二酸化炭素を吸収するために±ゼロになってしまいます。炭素循環の考え方の典型事例になります。 - 何と言っても燃料は、国内の林業から調達できてしまいます。廃材も利用できます。このような長所はこれからの時代にマッチングしていますね。
バイオマス発電のデメリットを見てまいりましょう。
- コストがかかることにあります。燃料自体のコスト、燃料運搬コスト、木材チップの生成コストにあります。ペレット化での手間コストは最たるものになります。
- 燃焼温度が低い木質バイオマスは、発電するだけでは効率が悪すぎることにあります。
- 木材資源の奪い合いが考えられます。建築・家具・製紙・まきや木炭利用などとの兼ね合いになるからです。
この短所もありますが、その燃料は木材、木材と石炭の混合物、下水汚泥、家畜の糞尿、生ごみ、廃油さらにパームヤシ殻などになります。
まさに有機ゴミは宝の山となってその利用を待っているところです。
おわりに
今回は、発電機の仕組みやそれぞれの発電方法のメリット・デメリットについてお話ししてきましたが、いかがでしたか?
発電の仕組みは難しいですが、動画を見るとわかりやすいので、参考にしていただければと思います。