企業年金という制度は聞いたことあるけど、その仕組みについて詳しく知っている方は意外と少ないと思います。
そこで今回は、企業年金の種類や支給日・平均支給額についてご紹介していこうと思います。
企業年金とは
一般的な私企業が、職業の種類を問わず事業主に雇われる者(=勤労者)の老後生活を支える公的年金に加えて選択的に設けられる、より豊かな年金制度を言います。
この企業年金の本質は、企業が勤労者に対しまして公的年金とは別格に支給される年金になります。一番のポイントは、退職金を分割して受け取れる仕組みにあります。もちろん一時金での受給もできます。
しかし、この便利な仕組みにも一定のハードルがあります。それは、すべての企業がこの年金制度企業を採用しているわけではないということです。大企業や歴史と伝統のある、いわば資力の原資がある組織でなければ賄いきれないからです。さらに、正社員限定などで雇用形態により非対象のケースもあります。
企業年金の種類
この制度の種類は、大別しますと「確定給付タイプ」「確定拠出型タイプ」「共済タイプ」に分けられます。
では、その内容を見てまいりましょう。
確定給付タイプ
「確定給付タイプ」は、確定給付企業年金や厚生年金基金になります。
この確定給付型は、企業年金の支払いや積み立て、資産の運用などに関して一切の責任を会社側が負担することになります。そのために、経営状態が悪化した場合や倒産した場合には減額される危険があります。
確定拠出型タイプ
次に「確定拠出型タイプ」は、今や通り名的存在の日本版401Kの確定拠出年金になります。この制度は、典型的な自己責任型運用の資産運用システムです。
しかし、自分で運用しますが制度自体の運営は会社側にあります。従いまして、金融機関が万一破綻したりしても、会社が倒産しても資産の減額はありません。
個人リスクは高いようにも感じますが、運用方法次第で有利になる優れものです。
共済タイプ
三番目の「共済タイプ」は、中小企業退職金共済や特別退職金共済などが挙げられます。
経営規模では、大企業などにはかないません。そこで、独自に運営が困難な中小企業向けに準備されましたシステムが共済制度になります。毎月の積立をして、管理や運用・給付をします。
そのために、積立金は会社に返戻はされませんし会社が経営状態の悪化ないし倒産の場合でも加入期間の保証があり、減額されることもありません。これは退職一時金的な要素を占めると言っても過言ではないでしょう。
企業年金の支給日は?いつまでもらえる?
企業年金の支給は、年6回になっております。支給月は偶数月になります。ここまでは、公的年金と同じになります。さて、その支給日ですが偶数月の1日になります。前月までの2か月分を指定口座に入金されます。
初回の年金支給は年金の支給開始月により1か月分のみになり、奇数月の1日に支給されます。注意が必要になります。なお、入金日に金融機関が休日の場合は、翌営業日に指定口座に入金されます。公的年金の場合は、前倒しになります。
では、いつまでもらえるのでしょうか。会社によりまして違いがあり、終身の期間もあれば20年間や15年間のケースもあります。
一般的には、大企業勤務経験者に優遇措置的なシステムになっております。
企業年金の平均支給額
今では、ほとんどの企業で退職金制度や企業年金制度を設けているのが実情です。厚労省の調査によりますと、76%の企業が退職金・企業年金制度を採用しています。
定年退職時に支給される金額につきましては、大卒入社(定年退職者)での平均的な退職金「退職一時金として」で1,567 万円、「退職年金として」で 2,110 万円、「両制度の併用」で 2,562万円となります。
なお、中小企業(従業員300人未満)の大卒入社(定年退職者)では、1224万円になっています。