人生には、生・老・病・死の四苦があります。その中で最も重いのが「死」になります。
生前に、故人が多くの方々にお世話いただいた事に感謝を込めて、弔事がつつがなく終了した後にお礼状をご送付します。
今回は、香典返しのお礼状の書き方についてお話しします。
香典返しのお礼状の書き方
故人を送る葬儀を無事に終えた後は、香典等への心からの感謝の意を伝えるお礼状や挨拶状を差し上げることになります。
香典を頂いたことに対する心からのお礼が第一になります。形式的になりますが、四十九日の法要等が無事に終わったことを報告いたします。
さらに、生前に故人とのご交誼に対する感謝の念とお礼を書き添えいたします。その流れで、香典返しの品物と略儀での挨拶のお詫びの文も添え書きします。
ご多分に漏れず形式的な要素が多いものですが、心からのお礼と挨拶が反映された文面が重要ですね。
香典返しのお礼状の文例
お礼状を書くときのポイントや注意点
お礼状の書き方や使用言葉には、厳かな規則があります。
①句読点は使用しないこと
縦書きのお礼状や挨拶状では、句読点は打たないのが通例化されています。元来、縦書きの日本語文では句読点は使用しないからです。
やはり重要なのは、全体のセレモニーが滞りなく終了することにあります。従いまして、文章で「止める」ことはタブーになるからです。日本人の心遣いの象徴になりますね。
②正しい敬語を使いましょう
いわゆる頭語や結語を使用します。また、故人につきまして「逝去」の用語ではなく「死去」の語を用います。
やはり厳かなイメージの文脈が維持できます。正しい表現により感情移入が豊かになりますね。
③宗教・宗派・地域に応じた言葉遣いをしましょう
仏式では、「四十九日法要」や「忌明法要」などのフレーズを使用します。
また、神式では、四十九日法要に該当するのが、「五十日祭」になります。キリスト教では、「追悼ミサ」の表現になります。今では、葬儀社では全て手配してくれます。
メールでのお礼状も増えてきている?
葬儀や通夜に参列を賜った方々に、香典のお礼を伝える方法としまして近時、パソコンやスマートフォンによるメールの送信で済ませるケースがあります。
通常は、お礼状や挨拶状を添えるのが一般的ですがメールも盛んになりつつあります。
時代の感覚は、香典返しの個別から全体(会社など)で皆様に食してもらえる菓子折りを送るケースも出てきております。
このようなケースでは、口頭やメールでの感謝の意を伝えることでも不快ではなくなってきています。時代の変遷に適応した対応も重要ですね。しかし、メールでのお礼はあくまでも単なる略式となります。そこで、普段からメールでの送受信を容易くしています会社の同僚や親しい友人にのみ送信するなど、相手を考えて対処することが大切になります。
なお、メールでは「ですます調」を中心にポイントを押さえた表現を心掛けることが重要になります。感謝の心を伝えるのは、本来は相手にお会いしてするのがベストタイミングになります。そのために、メールではその文末に、「取り急ぎメールにて失礼申し上げます。」の旨を書き込み入れる配慮が大切になります。
件名:お香典のお礼
本文:
〇〇様
この度は、亡父◯◯の葬儀に際しましては、過分なお心遣いをいただき、心よりお礼申し上げます。
忌引き休暇中には、ご迷惑をおかけして誠に申し訳ございませんでした。
お蔭をもちまして◯月◯日に四十九日の法要を滞りなく済ませることができました。
本来であれば拝眉の上お礼申し上げるべきところではありますが、取り急ぎメールにてお礼かたがたご挨拶申し上げます。
おわりに
お礼状や挨拶状についてお話ししましたが、いかがでしたか。
メールで送るようになってきたというのは、初めて知ったという方も多いのではないでしょうか。
確かに、簡単・便利・迅速は現代のスキームでは重要な要素をなしますが、人生の終焉にあって故人の冒涜は禁忌になります。やはり、先人の教えには一日の長があります。心した対応を肝に銘じたいものです。